仁桜-ninyo-染め処見学ツアー
先日、生徒様と京都の染め屋さん見学ツアーに行ってまいりました。
下地描き、のり置き、色差し、のり伏せ、蒸し、のり落としなど全ての工程を一人で担う加賀友禅と違って、京都のきものは分業制です。展示会や講演に立たれる有名な作家様の陰で、決して表に名前が出ることなくブランドきものを支えている職人様方がいらっしゃいます。
その中の愛友禅さま、芳田工房さまにお邪魔させていただきました。
先ずは、蚕ノ社をお詣りしてから愛友禅さまへ。
入るといきなり、大島紬の反物に50年前の型紙で擦り友禅が施されていく様が見事でため息が漏れました。
大島紬とすり友禅、歴史ある織りと染めの伝統技術を融合させて新たな作品が生まれているのです。
ですが、叙勲の賞状も飾られたお部屋で、皆様からは後継者不足を哀しむお声が、、、。
工房の人材だけでなく、すり友禅の道具として大切なハケを作る職人様も少なくなり、出来立ての手染めのきものが姿を消す日がいよいよ近づいていると呟いておられました。
次に向かいました芳田工房さまでは、14メートルの手作りの回転式の染め台が圧巻でした。
奥に長い京都ならではの間取りだから置けるのでしょうが、狭い路地をこの回転台はどのようにして運ばれたのか想像するだけでも歴史のロマンを感じました。
この地域に40件あった染め屋さんは芳田工房様と伊勢型染めの染処古今様の2件となってしまったそうです。
職人がいなくなり
道具がなくなり
きものが生まれなくなる日が来る
日本の伝統工芸を受け継ぐ者を待ち続けるしかない場所がきもの産地にはたくさんあります。
若人の皆さまに是非とも知って頂き、足を運んでいただきたいです✨
お昼はぜぜかんぽっちりさん、少しだけ小物問屋さんに寄り、頼まれていた帯揚げ帯締めコーディネート。締めは笹屋伊織さんで一休み。
皆様と充実した一日を過ごさせていただきました。
お世話になりました皆様に感謝申し上げます✨